宇佐見 琉晟(うさみ りゅうせい)
東北大学工学部4年
秋田県出身。中学まで野球をやっていた。高校は生徒会副会長を務めた。
現在の趣味はサウナ、バイクなど多岐に渡る。
記事作成:2023年2月
取材:村山志揮(工B4)
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【東北大学を目指した理由】
・私は秋田県出身で高校時代から、東北地方最大の研究大学である東北大学に憧れを抱いていました。その中でも、工学部マテリアル系(材料科学総合学科)は非引用論文数が多く、過去にノーベル賞受賞者を排出しているなど研究実績が豊富であるため「世界のマテ」と言われています。そのような世界と比較してもレベルの高い研究をしている学部・学科に興味を抱き、最終的に受験することを決定しました。
【大学3年時に休学を決意した】
・私が大学3年生になった頃、コロナ禍になりオンライン授業や外出自粛などで家にいる時間が増えました。ある時、僕が好きなゲームの実況 Youtube を見ていたらその実況者よりも自分の方が上手に話せると思いました。そこで、何の気なしにゲーム実況のYoutube動画の配信活動を始めたところ、活動開始から約1ヶ月でチャンネル登録者数1000人突破し、収益化に成功しました。
どんどんと成果が出て、Youtubeの配信活動に対する熱量が高まっていた時に、東北大学のアドバイザー教員との面談がありました。そこで先生からYoutubeに専念する後押しをして頂きました。こうしたきっかけや後押しが重なり、大学を休学しYoutubeに全力で取り組んでみることを決心しました。
【休学中の様子】
・休学中はYoutubeの撮影・投稿を続けながら、余った時間を使って英語やプログラミングなど、自分が興味を持ったものにどんどんチャレンジしていきました。やったことない物事や新しい経験を通じて自分の適正(向き不向き)を見定めました。
また、Youtube収益を投資に回してみたり、Web製作をしてみるなど充実した休学期間を過ごすことができました。僕は自分自身の力で何かを成し遂げてみたいという思いが強かったのでYoutubeなどで結果を残すことができて良かったと思います。
【休学のメリット・デメリット】
大学を休学するメリットは、大学では学べない分野や自分の興味のある物事を集中して学習できる点です。私自身、休学中のYoutube活動で培ったデザイン力や動画編集の能力が復学後の研究活動に活かされた事もありました。研究以外にもプレゼン資料作成や授業のレポートなど休学中の経験が有効活用できる機会が多々あり、学んだ成果が出て嬉しかったですね。
しかし、休学のデメリットもあります。それは休学すると進級ができず、大学での人間関係がリセットされる事です。今まで一緒に遊んだり、授業を受けてきた同級生が進級して学年が下の後輩と一緒に授業を受けることになります。そのため、同じ授業を受ける人たちと新たに友人関係を築くなど人間関係を再構築する必要があります。コミュニケーション能力に自信がある人は問題ないと思いますが、苦手だと復学後に大変な思いをすると思います。
【復学を決意した理由】
休学中の活動が軌道に乗り、このまま大学を辞めてしまおうと思った時もあったのですが、将来的に不安定な活動ではなく安定した職業につきたいという思いもありました。ものすごく悩んだのですが、しっかり学業を修めることの方が自分にとって得られるものが多いのではないかなと考え、復学を決意しました。
正直、後悔はゼロでは無いのですが、この決断が正しかったのか間違っていたのかは大学院を卒業して就職した後にわかると思います。難しく考えすぎる事なく、今の自分に出来ることに全力で取り組みたいと思います。
【復学後の大学生活】
復学してからは割と健康的な朝方の生活リズムで生活できていると思います。朝早く起きて午前中に研究室へ行き、夕方に家に戻るという規則正しい生活ができています。
現在は基本的に研究が中心の生活です。私の研究内容は鉄鋼業で排出される二酸化炭素を抑える製錬技術です。企業との共同研究であるため詳細は語ることができないのですが、環境問題に大きな関連があるため国際的な関心が高く、世界中に研究ライバルが多い分野です。
このように国際競争が激しい点が私の研究テーマの難しさでもあり面白さでもあります。
来年度からは大学院へ進学するので、大学院では「学会で賞を取る」「学術論文を発表する」など学術的に何かしらの成果や実績を残せるよう努力したいです。
研究室の先生や先輩方を見て、研究には毎日コツコツ努力できる人間が向いていると私は思います。研究に必要な要素として、他にも英語力や忍耐力、基礎学力など様々挙げられます。私はムラが激しく調子の浮き沈みがあるタイプですが、両親や周りの人々を安心させるために頑張りたいです。
【1年生へのメッセージ】
大学に入ってから良いこと悪いこと様々な経験をすると思います。自分のやりたい事が見つかり学業を疎かにしてしまう事もあるかもしれません。その中でも、「単位は落とさない」「授業には出席する」など自分自身の活動や可能性を潰さないようなセーフティーネットを張ることが大切だと思います。
このように最低限の保険をかけながらも興味関心を持つ分野に寄り道してみたり、新しいチャレンジをして成功体験や実りある失敗体験を経験して欲しいと思います。
また、大学では学力は関係なく主体性や好奇心が重要になります。学力で評価されるのは高校生までです。そのため、大学に合格したからといって慢心する事なく、大学合格で得た自信を持ちながら経験を積んだ方が良いと思います。
最後になりますが、周囲の人々と関わる中で他人を蹴落として自分を上げようと考えるのではなく、穏やかな心持ちで親や友達といった周囲の人々に良いものを還元できるような大学生活を送って欲しいです。