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先輩の声

人生の夏休みを謳歌せよ!~学生時代の想像と挑戦~

片山直哉 (KATAYAMA Naoya

工学部 電気情報物理工学科 4

千葉県松戸市出身。

大学生活の中で、ビジネスコンテストや国際交流に積極的に参加。

現在はIT系企業にインターン中(取材当時)。

 

 

インタビュー実施:20211110


・これまでの学生生活について

 

-中学、高校時代は何をされていたのですか?

 

中高で頑張っていたのは、勉強とピアノとサッカーですね。勉強と部活の両立を意識して取り組んでいたと思います。

 

-今熱中していることがあれば教えてください

 

最近熱中しているのはジェネラティブアートです!ちょっと専門的になるのですが、機械でプログラムを書いて線画を描画するって感じのアートにはまっています。僕自身絵があまり上手ではないので、機械が代わりに描いてくれて助かってます。

 

 

-東北大学に進学した理由をお聞かせください

 

高校まであまり勉強が得意ではなかったので、大学では勉強を頑張りたいという気持ちが強かったのが一因にあります。その時、地元から離れてて、研究が強い大学だった東北大を視野に入れました。それと、もともと宇宙と人工知能を組み合わせた研究をしたいという漠然としたアイデアを持っていまして。特に人工知能は勉強のし甲斐がありそうだなと感じたのでこの学科を選びました。

 

-入学当時に大変だと感じたことや、何か頑張って取り組んだことはありますか?

 

やっぱり勉強ですね。大学に入る前は、内心なんとなく大学って「楽しむ場所」ってイメージがあったので、勉強も思ってるほど大変じゃないのかなとは思ってました。でも、実際入ってみると、周りの人がみんな地頭がいい人ばかりなので、必死に食らいつくのが大変でした。その一方で、気づきとして、意外と東北大生の勉強に対するモチベーションが低いということがあり、「妥協して」とか「なんとなく」とか、そういう人が僕の周りに結構いたんです。そういう人たちを見てると、勉強で絶対負けたくないと思いましたし、逆に勉強だけに捕らわれても視野が狭くなるとも思い、いろんなことを頑張りたいと考え始めました。だから、1年生のうちは勉強に集中する期間にして、勉強最優先に過ごしていました。

 

・プログラミングをバリアフリーなものに!

 

-片山さんの進路選択について教えてください

 

僕は今、コンピュータサイエンスの研究室に所属しています。コース配属では、ワクワクする研究室が多い人工知能系のコースを選びました。研究室自体を決めたのは3年生の10月くらいです。正直、研究室のテーマってよくわからない所が多かったので、面白そう、教授がよさそうというような直観に近いところで決めました。

 

-片山さんは昔からプログラミングが得意だったのでしょうか?

 

実は僕、プログラミングが本当に嫌いで、今もできるかって言われたらそんなに自信はないんですよ!それでもITのビジネスコンクールとかに参加して、できる人に勉強させてもらってカバーしてました。

 

-それでは、片山さんの専門であるコンピュータサイエンスでは、プログラミングはあまり使わないのですか?

 

それはないです。結局、コンピュータサイエンスでは、プログラミング的な思考方法、論理的に要素を組み合わせていく考え方が必要になりますし、計算やシミュレーションする時にプログラムを組むことがあるので、勉強しておいて損になることは絶対ないです。それと、就活とかでも専門的なスキルがあるっていうのは一つの強みにもなってきます。そういった意味ではプログラミングはやっぱり重要だと思います。

 

-片山さんが専門を通じてやってみたいことがあれば教えてください

 

正直まだ少し曖昧なのですが、プログラミングとかデバイスとかのデザインに興味があります。僕が苦手だったように、社会全体でプログラミングに苦手意識を感じる一因として、プログラミングの触りにくさがあると思います。つまり、プログラミングのデザインをより分かりやすくできれば、みんながITとか人工知能に触れることができる、と考えました。加えて、大学1年生とか高齢の方といった、キーボード入力が不慣れで難しい方のために、いっそパソコンのキーボードを無くしてしまえば便利になるのではないかと考えたりもしました。そうなると、やっぱりITのデザインって大事だなと漠然と感じたので、今はそこを変えたいというモチベーションがあります。

 

・ビジネスへの挑戦と成長

 

-ビジネスコンテストとかインターンを始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

 

きっかけは国際交流関係のサークルの友達に誘われたことです。国際交流のサークル自体、各々いろんなことに挑戦している人がいて、情報共有の場になっていたんです。その中で、当時僕は国際交流と専門の2つだけを頑張っていて、+αとしてやってみるのもいいなと思ったので出場してみました。

 

-ビジネスコンテストについて教えてください

 

国連主催と仙台市主催の2種類のコンテストに参加しました。国連のほうから説明すると、毎年国連が主催するビジネスコンテストが世界各地で開かれていて、僕が参加したときはエネルギーに関するテーマでした。「雇用を10年で100万人世界で増やす」というざっくりしたテーマが与えられて、最後まで進めば国連でプレゼンできる上に、起業に1千万ドル投資してもらえるという大会でした。仙台市の方は、厳密には仙台市とNTTドコモが共同で開催していて、こっちも毎年開催されてます。10ヶ月くらいのビジコンで、ITに関するニーズを探って、ビジネスをゼロから設計する内容でした。

 

-ビジコンに参加して成長した部分や得たものはありますか?

 

特に印象的だったのは、どんなにすごい技術でも、ユーザーの期待に応えることを意識するべきということです。顧客目線に立って、気持ちを想像したうえで技術は初めて役に立つものとなる。だから、すごい技術それ自体が評価されることは全くない、ということを学ばせてもらいました。それと、チームとして活動するので、やっぱり知識とかスキルには個人差がでるんですよ。だから、役割分担とかのチームコントロールには気を使うようになりました。特に意識するようになったのは、メンバー一人ひとりとちゃんと向き合うことで、相手を知るのはもちろん、自分のことも知ってもらうことの重要性ですね。やっぱり、一緒にいて居心地がいいところとか、ワクワクする人のところってちょっと忙しい時でも行っちゃおうかなって思うじゃないですか!ですから、そういう人間関係のつながりを大事にするようにはなりましたね。

 

-インターンの内容について教えてください

 

僕は2つのインターンをやっていて、1つが東証1部の人材会社東京での営業でした。オンラインでたくさん電話をかけて営業を売り込むみたいなこととか、商談に付き合って実際のビジネスを体験することをやりました。もう1つが、東北大学発のIT系ベンチャー企業でのインターンです。会社としては、仙台市の保健所とかコロナのコールセンターの電話窓口の業務の効率化や、内閣府が構想している、ITを取り入れた街、スマートシティの構想に携わっていて、そこでアイデア出しや軽いお手伝いをさせてもらっています。

 

-なぜ営業に取り組んでみようと思ったのでしょうか?

 

これには、自分の中で工学技術を社会に応用するフェーズを考えたことがあります。工業製品を世に出す際には、設計、開発、営業、の大きく分けて3つのフェーズがあります。僕は情報学科に所属しているので、設計の部分はある程度大学で学べますし、いざ設計図を形にする開発の部分はビジネスコンテストで経験したことがあります。逆に、営業には全く関わったことが無かったので、この際に挑戦してみるのも面白いなと思ったのでやってみました。

写真:インターン先にて

 

国際交流と常識の異化

 

-なぜ国際交流に興味を持ったのでしょうか?

 

あまり強いきっかけというものは無かったのですが、東北大学自体が留学生の受け入れ人数が日本の中でもトップクラスだったので、なんでそんなに人数が多いのだろうと不思議に思ったことが一つあります。あとはキャンパスで留学生を見かけた時に、あの人は何を考えているのかな、とか日本に対して何を思っているのかな、といったワクワク感を試したいと思ったからです。

 

TEDやアイプラネットといった国際系サークルでの国際交流を通して何を学びましたか?

 

もちろん異文化という点で、自分とは全く違う考え方とか、留学生の政治・専門に対する意識の高さには驚かされました。例えば、留学生にコロナとかオリンピックとかへの日本の対応や考え方を聞かれたことがあるのですが、そこで初めて、ニュースへの考え方がしっかりしている人たちに関わって、自分自身も世間の動きを改めて考えたり、話したりするようになりました。でも、それ以上に共通点の多さを強く感じていて、同時に笑い、感動するタイミングの多さは自分自身いい発見だったと思いますし、いい勉強になりました。

 

-特に印象に残ったところがあれば教えてください

 

印象に残ったことはめちゃくちゃありますね(笑)。特にイベント企画の時の失敗が印象に残ってます。イベント企画の時に、スケジュールをいっぱいに詰め込んでいろいろ案内してあげようと思ったんですけど、イスラム教徒の方からお祈りの時間がほしいって声があったり、おいしい肉料理屋を紹介したら、ベジタリアンだから食べられないってなったことがあります。特に、配慮不足で一人だけ楽しめない、となるとすごく悲しいなと思ったことがあったので、相手の立場に立って考えることを痛感しました。

 

・後輩へのアドバイス

 

-片山さんは専門の勉強以外にもいろいろ手広く活動されてきたと思うのですが、学業と課外活動の両立で気を付けたことはありますか?

 

自分の中で一つ基準を決めて、きちんとやりきることを大切にしました。今週はこの課題に集中して、終わるまでは課外活動はやらないみたいな風に、曖昧にどっちもやるよりも、きちんと一つの仕事を終わらせる方が、自分の能力をフル活用できると思います。だから、そのための環境づくりにも気を付けた方がよくて、例えば期限を自分で決めて、あまりやりたいことを先延ばしにしない方がいいと思います。

 

-大学生活を活用するために意識した方がいいことを教えてください

 

中高と大学で圧倒的に変わることとして、大学では主体性の重要度が大きく上がります。大学は自由な時間が増える分、逆に何をしていいのか分からなくなってしまうので、まずは自分がやりたいことをはっきりさせるべきです。そして、大学生活の中で、自分の姿を見直した時に、入学当初に持っていたイメージと今の自分が近づいているのか確認して、目標に近づけるよう努力していくのが大切だと思います。

 

-目標設定に関するアドバイスをお願いします

 

確かに、急に個性を持てとか目標を持てって言われると困ると思うんです。だからまずは、普段生活する中で感じたワクワク感やモヤモヤ感、例えば、理想と現実のギャップに感じた違和感とかを大切にしてほしいです。そういった経験は後々絶対に興味や関心につながってくる部分だと思うから、そうした反応を探るのはいいかなと思います。そして、今できることを全力で頑張ってみるのも必要です。僕自身は、苦手なプログラミングの勉強を通して、少しづつできることが増えていって、見える世界が増えていく楽しさを知りました。あまりガチガチにし過ぎず、軽い目標を決めて、全力でやる。そして楽しんで少しずつ成長するのが大切だと思います。

 

 

-最後に片山さんから後輩の皆さんへ伝えたいことを聞かせてください

 

自分を積極的に出していくことです。新しく組織に入ると、まわりに合わせることとか目上の人の指示に沿うことが多くなりますが、それは結局自分の個性を消す方に働いていて、正しそうだけど正しくないことだと思っています。ちょっと難しいかもしれないけれど、自分の考えやアイデアを積極的に出した方が、相手に自分の特性を知ってもらえて、得手不得手の割り振りがうまくいったりしてチームワークがスムーズになります。だから、不安で仕方なくても自分のことを相手に知ってもらうことが大切になると思います。

あとは、大学生活の内にやりたいことを全部やること!大学は夏休みと一緒で、やりたいことを好きなだけやれるし、むしろ何もしない方が損になる環境だと思います。だからこそ、自分の中のワクワク感やモヤモヤ感と向き合って行動してほしいし、それを通じて勉強して、成長するべきだと思います。