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先輩の声

自分の軸を作る!!学業と国際交流の両立

高橋佐喜子(TAKAHASHI sakiko)

東北大学医学部医学科 4年

宮城県出身

中学生の修学旅行でシンガポールへ行き、国際交流に興味を持ち始める。

東北大学入学後もイギリスへの海外留学、沖縄科学技術大学院大学へ国内留学するなど、国際交流と学業の両立を実現している。

趣味は映画鑑賞、体を動かすこと。最近一人暮らしを始めた。

 

インタビュー実施:2021年12月14日


ーなぜ、東北大学を選ばれたのですか?

 小さい頃から、国立の医学部医学科へ進学したいなと考えていました。その中でも、私が宮城県内の高校に通っていたのもあって東北大学の情報が手に入りやすかったという事がきっかけだったと思います。

 また、東北大学に進学した高校の先輩から、留学のプログラムや国際交流できるゼミ・サークルが充実していると教えてもらったことが大きかったです。私がやりたかった医学科への進学と国際交流の両立が出来ると感じたのが決め手でした。

 

ー今までの学業への取り組みについて教えてください

 私の所属する医学部は、1年生は「全学教育」、2年生は「基礎医学」、3年生は「研究室配属」4年生以降は 「student doctorとして病院の現場で経験を積む」といったように学年ごとにカリキュラムがしっかりと決まっています。

 大学に入学すると中だるみというか燃え尽き症候群というか、授業を受けずに遊んでしまう人が結構いますが、私は友達の影響もあり、医学の授業だけでなく全学教育の授業も真面目に取り組んできました。先生方が用意してくれた授業資料や授業中の一言が教科書には載っていないという事も多々あり、実際に研究をする上で学ばなければならない最先端な事を授業で教えてくれていたんだなと後になって気づきました。授業に真面目に取り組んできた恩恵を感じる事も多々ありました。

ー学業以外で何か意識的に取り組んできたことはありますか?

 同じ学部の人とだけではなく、多くの人とコミュニケーションを取ろうと思い様々な団体に積極的に参加しました。医学部の部活に入るだけではなくて、国際交流系サークルのIPLANETやボランティアサークルに入ってみたり、様々な学部学科の人たちがいるグローバルゼミに参加したりしました。

 他にも長期休暇を利用してSAP(全国の大学で開催されている学部生向け留学プログラム)でイギリスに行きました。また、外国人の留学生のチューターをして、その子と台湾に行ってみたりもしました。最近だと、東北大学グローバルラーニングセンターが運営しているプログラムを利用してタイやベトナムに行ってみようと考えていたのですがコロナ禍で流れてしまいました。

 私は家に居ても動けないので、とにかく外に出て何かチャレンジをするという事を意識しています。

 

ー国際交流をしようとしている人にアドバイスをお願いします。

 海外留学をするためのプログラムは思っているよりたくさんあります。東北大学が主催しているプログラムだけでなく、Japan heart という一般のプログラムで海外の医療ボランティアが出来ますね。

 他には海外の人はFacebookをよく使うので、私はFacebookで情報を集めます。そこで、他の人の留学の様子であったり、気になった留学プログラムや国際交流団体を調べてみて自分が参加できそうなものをピックアップしています。

 お金と期間の問題はありますが、情報を集めて自分に合ったプログラムをしっかりと探す事が大切だと思います。

 

ー高橋さんは学業や国際交流という軸を持って大学生活を送っていると思うのですが、こういった軸の見つけ方を教えて下さい。

 やはり周りの人々から影響を受ける部分が多いのではないでしょうか。すでに自分自身の興味関心が定まっているのなら一生懸命にそれにエネルギーを注いだ方が良いと思いますが、目的意識が無く時間を過ごしてしまうのなら周囲の人々に触発されて何か新しいことに取り組んだ方が良いと私は思います。

 私は国際系のグローバルゼミを取っていたのですが、そういったゼミを取る人は「国際系を頑張りたい」といった明確な目的を持っている人が多かったです。そこで良い影響を受けて、私も活動の幅が広がりました。

 他にも、授業やテスト勉強も、周りの人が勉強を頑張っているから私も頑張ろうと思って取り組む事も多々ありました。こういった経験から、周囲の人々から背中を押されて何かに取り組んでみたり、一人ではやりにくい事を友達と一緒に挑戦してみたりして視野を広げる事が目標設定したり、軸を持つことの近道だと思います。

ー今までの大学生活を振り返って思い出になっている事を教えてください。

 3年生の基礎医学修練の時にOIST(沖縄科学技術大学院大学)に国内留学した事ですね。元々はフロリダ大学に行こうと考えていたのですがコロナ禍で上手くいかず、でもせっかくだから東北大学を離れて遠くで勉強してみたいと思いました。そこで、日本国内で国際的な環境で研究ができる大学院大学という事でOISTへ行くことに決めました。

 OISTではニュージーランド人のJeff Wickens先生のラボにお世話になって、ポスドクのジュリさんという方の元で勉強をさせて頂きました。当時はジュリさんと一緒に特殊な実験をしていたので朝の10時出勤で夜中の12時を過ぎてから帰るという日々を送っていました。この経験から研究者はものすごくハードな職業だなと感じた他に、このような生活の中でも皆さんが自分自身の生活と研究のバランスをとっている事が凄いと感じました。研究者の皆さんの研究に対する情熱には本当に感動しました。

 他にもOISTには、年齢はかけ離れていますが教授とフランクにコミュニケーションを取れる環境があり、また、「アルティメットフリスビー」というフリスビーでやるラグビーみたいな競技があるのですが、それをして放課後に学生たちで遊んだり、ハロウィーンやクリスマスを祝ったりと海外の人々と一緒に様々な文化を体験できてとても充実した時間でした。

 OISTでラボの雰囲気に触れて、将来的に海外で研究をしてみたいなというモチベーションが高くなりました。

 

ー大学2年以降のご自身を振り返って1年生の時にしておけばよかった事はありますか?

 しておけば良かったというか、して良かったことはやはり全学のサークルに入った事ですね。せっかく東北大学っていう総合大学に入って、全国からいろんな学部でいろんなことを勉強したいって思う人が集まってる中で、医学科だけとか自分の学科だけに囚われちゃうのはもったいないなと思います。私は地元が仙台で大学内の友達も高校の時からの友達が多かったので、そういう子たちに引っ張られながらいろんなサークル見学に行って、国際交流やボランティアのサークルに入ってみて友達が増えました。そのおかげで自分自身の価値観が広がりましたね。そこで出会った同期や仲良くなった先輩とは今でもつながれる仲で、そういった先輩方がFacebookとかで活躍してる様子を見ると「あ、すごいな」って思う他に、自分も頑張りたいって思う原動力になります。そういう、「常に頑張りたい」って思わせてくれる、刺激的な周りの人がいるっていうのは、その1年生の時に作った人との繋がりかなと思います。

 でも、自分の中では後悔ではないですが、コロナ禍になるまでは新歓などがあったので、新歓にもっとたくさん行っておけば色々な人にもっと出会えたし、たくさん楽しい思い出が出来たかなぁって思いますね。東北大学にはたくさんサークルや部活があると思うので、まずは入って、自分がやったことない事にもっとチャレンジしてみたかったと思います。本当に一年生、二年生の時はたくさん時間があったので、もっといろいろ人と関わりながら時間を過ごしていたらもっと良かったかなと思います。

 あと、一人暮らしですかね(笑)。私はずっと実家暮らしだったので、他県から進学してきて一人暮らししている人を尊敬しています。新しいことが沢山あって、その変化に適応しながら勉強・サークルを頑張るってすごい事だと思います。

 

ー大学生活では希薄な人間関係で終わってしまう人も多いと思いますが、高橋さんのように他の人との繋がりを作るにはどうすれば良いですか?

 私も最初の頃は周りが全然知らない人ばかりだったので、逆に怖いもの知らずじゃないですけど、何かいろいろやってみても相手は別に自分のことを知らないし、もしダメだったら自分も消えればいいやと思い、グイグイといろんな団体に顔を出していました。

 そうやって失敗を恐れずにいろいろな人たちと関わる機会を増やしていけば、自然と良い人間関係を構築できる可能性が高まっていくと私は思います。

 

ー最後に一年生へ向けてメッセージをお願いします。

 4年生になって感じることですが、私だけでなく、周りのみんなが卒業研究・就職活動のような自分の将来に大きく関わる重要なトピックスに全力を尽くすようになって1、2年生の期間を有意義に使うべきだと思います。

 時間が許す限り、勉強やサークル、バイトなど少しでも興味がある事に参加すると新しい自分に出会える可能性が広がると思います。経験が増えると3、4年になって将来の進路を決定する時に選択肢の幅がより広がると思います。

 私は、当時コロナ禍で活動が様々制限されていたのですが、今は少し落ち着いて対面・オンライン両方で参加できるイベントやサークルがたくさんあると思うので、自分の将来像がはっきりしていない人は顔を出すだけでもすると発見があるかもしれません。

 「リスクよりもベネフィットの方が高そう」と思って行動することが大切だと思います。