Voice

先輩の声

知らないものだらけの世界は面白い!―NPO研究と英語への挑戦―

峯村 遥香 MINEMURA Haruka

東北大学経済学部 4年

 

神奈川県出身。中高では、部活や学校行事に熱心に取り組んできた。

大学では国際交流や学生団体の立ち上げ、NPOの研究など多種多様な活動をしている。

現在(取材当時)は、学部3年時に立ち上げた学生団体で、せんだいメディアティークと共催するプロジェクトに向けて活動したり、文系ながら東北大学病院でインターンをするなど、忙しい日々を送っている。

明るい笑顔と失敗を恐れずに挑戦し続ける姿に魅了され、彼女を慕う人が沢山いる。

本インタビューでは、そんな彼女にNPO研究への思いと英語力向上の目標に向けた努力について伺った。

 

インタビュー実施:2021年10月12日


NPOは社会を変えられる存在かもしれない

 

― まずは東北大学経済学部を選ばれた理由を教えて下さい。

 

経済学部にあるNPOゼミに入りたかったからです。

 

― NPOに興味を持たれたきっかけはありますか。

 

浪人期に何気なく手に取った、NPOで働くことに関して書かれた本です。

当時、やりたいことを明確化して大学に行きたいと思い、ひたすらに本を読んでいました。その時に出会ったのがこの本で、NPOってめちゃめちゃ面白いなって。そこで、「国立大学 NPO 研究」とGoogle検索して、出てきたのが今所属している非営利組織論ゼミです。自分でもなかなか面白いなと思っています。

 

― NPOが面白いと感じた理由を教えてください。

 

NPOで働く人たちこそが、「誰だったら社会を変えられるのか、社会を救えるのか」という問いにまっすぐ向き合っているのではないかと思ったからです。

 

というのも、高校生の時、幼馴染がうつ病になってしまったことが背景にあります。当時16歳の私は、幼馴染を前にただひたすら無力でした。最後は医療機関や専門機関にかかって彼女は元気になりましたが、「あのとき自分はどうすればよかったんだろう」と高校3年間ずっと考えていました。浪人期も、どうしたら大事な人が傷つく姿を見ずに済む社会になるのだろうかと思い、答えを探し続けていました。その中で「答えはきっと最後のセーフティーネットである医療機関による”助け”ではない。その前に救える何かが社会にあるはずで、そこに携わりたい。」と思うようになりました。そんな時、この本に出会い、答えが見つかった気がしました。

 

― 現在の研究について伺います。まずはじめにNPOに関する簡単な説明をお願いします。

 

NPO法人=ボランティア団体というイメージを持たれがちですが、NPO=非営利組織なので、営利を目的としないすべての組織がNPOに当てはまります。非営利といっても、お金を稼いではいけないという意味ではありません。それ自身ではお金にならないけれど社会に必要な事業を、寄付や助成金などの手段でお金を集めて、執り行うのがNPOです。営利企業や株式会社はお金を払う人とサービスやリターンを受け取る人が同じです。一方で非営利組織の活動はお金を払う人とサービスを受けとる人が異なる、という構造になっています。

 

― 研究内容を教えてください。

 

非営利組織の経営です。どう組織にいる人たちをマネジメントしていくか、どうお金を管理し、どうやってプロジェクト運用へ発展させるかを研究しています。

 

― 非営利組織の経営に関して課題だと感じられる点はどこですか。

 

特に関心のあるお金の課題についてお話します。まずNPO法人にはお金がない。なぜかというと、やっていることがお金になりにくいからです。わかりやすいのは子どもの支援ですね。アフタースクールなどは、子どもの支援それ自体でお金を稼いではいないので、結局寄付や、国・県・市の助成金、あとは会員という形で個人からお金を集めるなどして、やりくりしています。また、お金の稼ぎ方にも問題があります。助成金は使い道が制限されていますし、書類の提出など申請が大変です。故にたくさんの助成金を申請する体力がない団体もあります。

 

 

― 研究する中で難しさを感じた点はありますか?

 

難しさであり面白さなのですが、NPO研究は様々な学問から研究されており、アプローチが沢山ある点です。経営・法などの文系分野からだけでなく、東北大で言えば情報科学研究科からも学ぶ事が出来ます。またここ20年ぐらいで研究が始まった若い学問なので、未開拓な領域も多いです。

 

― 将来の目標と、実現に向けて取り組んでいることがあれば教えて下さい。

 

日本のNPOを面白くしたいです。そのために、日本のNPOに関わる制度や立法に携わるポジションにつきたいと思っています。学者・大学の先生・起業家・NPOで働くなど、いろんなアプローチがありますが、まだどれがいいかは決めていません。とにかく今は、いろんな人に会って情報を集めたり、コミュニティを広げています。

 

― 「日本のNPOを面白くしたい」を具体化するとどうなりますか?

 

NPOという概念は、アメリカから来ているのですが、アメリカのNPOって規模がとにかく大きいんです。寄付もバンバン集まるし、新卒の大学生の人気就職先ランキングのトップに入るのがNPOだったこともありました。日本で同じ事は起こらないですね。どうしても学生からの人気はないし、組織の規模も中小企業レベルでまだまだ下火です。しかし、そんな日本のNPOがあらゆるかっこいい営利企業と肩を並べ、学生に人気の就職先になり、どんどん面白いことを生み出し、社会に波及力を持つ組織になったら面白いですね。そして非営利セクターの経済規模がもっともっと大きくなったら面白いなと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なりたい自分を見失わない~英語への挑戦~

 

― ご自身の1年生の頃の事を教えて下さい。大学生活をスタートする時に目標にしていたことはありますか。

 

留学をしたいと考えていたので、南キャンパスにある文系の国際交流コミュニティースペースに毎日ひたすら通っていました。留学生や留学経験のある先輩、職員さんたちとの交流を通じて語学力向上と、留学の情報収集をしていました。

 

― 留学は行かれましたか?

 

はい。夏休みにFLプログラムでアメリカのノースカロライナ大学シャーロット校へ3週間行きました。FLプログラムというのは、東北大学主催で、先生一人と学生たちで一つのプログラムテーマを持ち留学するものです。

 

― 留学後何か変化はありましたか?

 

この3週間の経験が私の意識をものすごく変えてくれましたね。私はやっぱり留学がしたいし、こうやって勉強する生活が楽しいと改めて気づかされました。帰国後、それまでは週6~7で部活をしていたのですが、このまま運動部にいる生活でいいのか深く悩みました。結局、部活をやめて国際交流系のサークルにシフトし、放課後はひたすら留学生と遊んでいました。

 

― 前期の経験から、1年生の後期に意識されていたことはありますか?

 

とにかく自分の英語力を鍛えようと思い、後期には国際共修授業を取りました。留学生2人、日本人3人でチームになって、12月にイベントを企画運営するという授業でした。ゼロからイベントを作るのは、とにかくすべてが大変でした。私たちは、いろんな国の食べ物を提供するイベントを企画しました。買い出し・集客方法・予算の使い方など全部英語で話し合うのはとても大変でした。

 

― 英語力を伸ばすためのアドバイスをお願いします。

 

ごまかしちゃうとか、愛想笑いしちゃうとか、「分からない」と言えないことが英語が喋れない大きな原因だと思います。これを言わないと英語力は伸びないし、相手とのコミュニケーションもうまくいかないと気づきました。

「わからない。もう1回言ってくれ」っていう力がついてから英語が劇的に伸びました。

 

― 目標に向けて頑張る人へメッセージをお願いします。

 

勇気を振り絞って「えいっ」とやり続けたら多分何か変化があります。辛いけどとりあえずやってみて、ときどき振り返ること。そうすれば、「自分、意外と前よりも成長しているな」と気づけると思います。そして、「自分はどうなりたいか」を忘れないこと。これを一番伝えたいです。私はやっぱり英語を喋れるようになりたかったし、世界で活躍したかった。日本より世界のほうが知らないことだらけで面白い。そんな知らないことだらけの世界にどんどん出て行きたいっていう夢があるからこそ、やり続けた結果が今です。今何かできなくても全然気にしなくてよくて、「今できない」にそのまま居続けるか、つらくてもそこから出て、努力を積み上げるか、そのどちらを選択するかだと思います。

 

やらないで後悔するよりやって後悔したほうがマシ

 

― 来年度の1年生に向けて

 

大学は、”何も与えられないけれど取りに行ったら何でももらえる場所”だと思います。私はとにかく声を上げたり手を上げたりすることで、助けてくれる人、賛同してくれる人、一緒に楽しんでくれる人に色々な場所で出会うことができました。何か思っているだけじゃ始まらないので声を上げる。手を動かす。これをやったらきっと明日は変わるよなって思います。何かモヤモヤってしたらとりあえず人に言う、何か手を動かすということを是非楽しんでやってください。東北大学は使い倒したらすごく楽しいです。

 

私はいつも「やらないで後悔するよりやって後悔したほうがマシ」って自分の背中を押しています。だから迷ったら必ず自分にそれを言い聞かせます。やらないで後悔するのがいいのか。やって後悔するのがいいのか。是非色んな所に飛び込んでみてください。

 

― 最後に、浪人を経験して入学した1年生のみなさんへ

 

浪人生は最初やっぱり辛いです。現役で、しかも自分より優秀で、同じ舞台に立っている人もいっぱいいます。東北大学は優秀な大学だと思うのですが、東大・京大・一橋という上位校もある。浪人してもそこ?みたいな冷たい言葉を受けたこともありました。

 

辛いけれど、自分のした選択を正解にするのは未来のあなたで過去のあなたじゃないって思うんですよね。どういう経緯であれ、東北大に来るっていうその決断をした。それを正解にする努力をすることが大事かなと思います。結果として、東北大を辞めて別の大学に行くのも全然アリだと思いますが、どういう選択をしたとしても、それで良かったって言えるように努力することが本質だと思っています。